■ アメリカ開教史 ■

 一九七〇年一〇月五日に羽田を発ち、ウエストベンガルのカルカッタに降り立った。  ブッダの真実の教えを求め、成道の地ブッダガヤの大菩薩寺に起居し、菩提樹下に修禅三昧の五年間であった。また、ブッダの足跡を尋ねて八大仏跡を托鉢行脚したのである。この命がけの修行をなし遂げた私は『ブッダの真の教法を欧米人の間に弘めよう』と決定し、一九七八年三月二七日にアメリカ合衆国に渡った。

 ニューヨークのウエスト・ビレッジのグローブ通二七番地に小さなアパートを借りた。しかし、最初の一年間は信者もなく雨の日も雪の日もマンハッタンを托鉢して歩いた。二年目に永住権を取得し、ようやく阿字観を指導し書道を教えることになった。困難な開拓伝道に身を挺した二八年間であった。



 二〇〇六年九月四日から二一日までの間、アメリカ合衆国の定期伝道を行った。

 はじめにヴァーモント州ヴァーリントン市の「大日寺」で、集中講義、伝授、加行を行う。「大日寺」の僧伽メンバーが主に東部地域より集まり、六日間の修行をする。そのスケジュールは、午前八時より朝課(理趣経)、阿字観、講義。午後二時より五時までの間、写経、声明、講義、晩課(観音経)となる。

 九月五日から一一日までは、四度次第の伝授を各修行者に行い、一五年間修行を続けているジェームス大導師は『不動護摩法』を授けた。また、医師であるマティウ金剛師は『不動法』を、ダニエル妙智力師と共に授法した。


金剛心道場にて 三宝院流不動護摩法伝授


シャンバラ佛教センターにて 三宝院流憲深方加行

 そして、州の公務員であるトーマス慈海師とパトリシア浄光師には『胎蔵法』を授けた。その他、ジェシー慧日師、シェーン大雲師、ステファン法雲師らには『如意輪法』を伝授した。彼らは十数年間修行を続けている税理士、写真家、会社社長、コンピュータープログラマー、公務員、商社マン、学生、主婦、その他の職業をもった在家信者である。

 このヴァーモント州ヴァーリントン市にある「大日寺」は、日曜日ごとに市民が集い仏教講義と阿字観と読経が行われている。

 私の弟子のジェームス大導師が僧伽の代表で、師はヴァーモント州内のシャーロット市にも「金剛心道場」を有し、定期的に集会が行われている。

 二〇〇四年からカナダ国モントリオール市在住の商社社長ステファン法雲師が、修行を続けてきた。師は一二年前にホンコンからカナダに移住した中国系カナダ人であり、中国人仲間によびかけてモントリオールに僧伽を形成した。そして、市内の中心地に『大般若堂』を開堂した。

 この開堂と入仏開眼法要を九月九日(土)午後三時より、私が導師となり執り行った。


大般若堂開堂法要にて

 「大日等」の僧伽は、アメリカ東部都市であるコネチカット州ニューヘーベン市とペンシルヴァニア州フィラデルフィア市などに支部を設け、アメリカ市民に仏教を伝道している。

 ブッダのことば(スッタニパータ/一八二)に「この世では信仰が人間の最上の富である。徳行に篤いことは安楽をもたらす。実に真実が味の中の美味である。智慧によって生きるのが最高の生活であるという」とある。

 日本人は一日も早く「エコノミック・アニマル」から脱してブッダの教えに帰依しなければならない。

合掌 





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